370話二人の男の間を巧みにナビゲートする

「何を言ってるの? 変に勘ぐらないで。あの人、もともとは姉の婚約者だったのよ。私が身体が弱いの、知ってるでしょ。だから、余計に気にかけてくれてるだけ」

ビアンカはそれ以上、何も言わなかった。

実際、その部分は事実だった。

たとえ後になってロニーが何かを知ったとしても、自分は嘘をついていない、と説明できる。

それを聞いて、ロニーはいったん疑念を引っ込めた。

なにしろ相手は、清らかで無垢な――彼のビアンカなのだ。

ロニーがあまりにも自然にビアンカを引き寄せるのを見て、ジェームズの目に一瞬、冷たい凶光が走った。

自分の女だ――たとえもう欲していなくとも、ほかの男にあれほど気安く触れさせ...

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